#10 Yet to come 2025 BTSの本質は知性だと思う(SUGA編)②

BTS💜

こんばんは、桜子です🌸

もう都内の桜は葉桜になってしまいました…🍃🌸しかも、昨日は、まだ4月なのに何だか暑かったです💦

そんな中、Yet to come 2025 第2弾です!今回は、私の愛するSUGA(ミンユンギ)について書きました🖋

強さと弱さの狭間で SUGA

Interlude : Shadow

彼は、ラッパーなのですが、人間とはとても他面的な生き物であることをその生き方で教えてくれるような存在です。

彼は、練習生時代にお金がなくて、ご飯食べるためにバスを使わずに歩いて帰っていたり(合ってるよね??)、お金がなくて新聞配達のバイトをしていたら肩を脱臼し、2021年に手術するまで、都度対処で済ませるしかなく根本治療ができてなかった(それまであの激しいダンスを続けていたなんて…)とか、音楽で生きていくことを両親にかなり反対されていた、家が裕福でなかった、など、私生活でそもそもかなり苦労人なんですね(苦労話はもっとあります)。

曲作りの観点でいうと、日本でもそうだと思いますが、アイドルがラップをやってアイドルラッパーと言われ、なじられ、過度に批判され、苦しい時代が長く、暗く闇に飲まれていたため、その事実を、人の心にその苦しみを突き刺すように表現している曲が多いです(当然、本当はそんなことを誰にも経験して欲しくないですが)。メンタルヘルスに支障をきたしてしまったことも有名です。

そのためか、彼は、BTSで曲を作るときはSUGA名義で、もっと個人的に作りたい曲を作るとき(ソロ活動)はAgustD名義で曲を作っているのですが、端的に言ってしまうと、ソロの時は、ナイフで刺すような鋭い言葉が多く(暴力的という意味ではない)かなり暗めの曲が多いです。

ご存じのとおり、BTSは大成功するんですが、普通、大成功したらとりあえず、嬉しい楽しいみたいな曲を書くのかなと思うじゃないですか(一応アイドルなんだし)。彼の場合は、自分は王になったと表現するんですよね。一方、彼はすごく臆病なところがある人なので、同時に頂点に立ったら立ってでものすごく不安を感じてしまうし、その対極にある2つの感情を、両立させて、淡々と歌にしているところがとんでもなく魅力的なんですね。

私は単なる庶民で、そんな立場になったことないのでわからないですが、相反する感情って、誰にもあるんだなあ~BTSみたいな頂点にいる人でもそう思うんだ思うと、人間って興味深いです。。

そんな彼ですが、今回は、相反する感情、多面的な感情を歌っているところに注目して、私なりな解釈をしてみたので、読んでいただけると嬉しいです💜

※ ほぼ、個人的解釈です

飛び立つ喜びと恐怖(Outro : Wings)

私が大好きなあみにさんの和訳動画です。SUGA(左から2番目)、ラッパーなのに弟たちに挟まれてかわいいネコちゃんになっている…(かわいい)

Outro : Wings

니가 택한 길이야 새꺄 쫄지 말어 
お前が選んだ道だろ お前はビビるなよ   

このWINGSは、花様年華という、BTSが売れる発端となったアルバムの次の作品であることを考えると、この曲を書いた時期のプレッシャーは相当なものだったと思います。

ユンギは、人一倍売れたいという気持ちが強かったみたいで、その気持ちが強いのに、いざ、急に売れたり、売れたことに対して足が竦むような不安な自分たちに宛てて書いた歌詞でもあると思っています(勝手な推測)。

既に大きなことを成し遂げてしまい、本当にそれがやりたいことだったんだっけ、怖いなという気持ち。でも、今まで何のために苦労してきたんだ、どれだけ辛い思いをしてきたんだと、いやいや、これがスタートじゃん、自分が今いる場所は、自分が過去に夢見た、望んだ場所だよと自分に繰り返し言い聞かせているような印象を勝手に受けました(勝手な推測②)。

堕落は怖いけど、着陸なら怖くない(Interlude : Shadow)

実際、彼は、2017年11月19日に開催されたアメリカン・ミュージック・アワードのあとに売れすぎたことに恐怖を感じたと、2021年のインタビューで話しています。

また、堕落は怖いけど、着陸なら怖くないという、頂点に到達した人しかわからない苦労というものは、最初に紹介したInterlude : Shadowという曲のなかでも歌われています。

私は、これらの動画を見たとき、これがBTSだと思いました。海外でも賞をもらい、認めてもらえたことは名誉なことだけど、気持ちがついていかない。

辛かったという言葉を話してくれること自体が、彼らが新しいアイドル像といわれる理由なのだと思います。這い上がるしかなかったため、既存のものに疑問を投げ続け、そこが、彼らのニュートラルさをつくってきたのかなと。

正直であること(大前提として、正直であるということを、ある意味売りにしようとした事務所の思惑はあったとしても)、無理に強がらないところ、取り繕わないところ、弱いところは認めるところ、彼らが彼らである所以、なのだと思います(海外ARMYは authenticity と表現することが多い気が…)。

そして、その部分が、新しい男性像を打ち出していることに繋がっています。

そのうち、RMは、フェミニズムを学ぶところから始めた人ですが、SUGAの場合は、曲を作りながらそれを理解していくタイプなのかなと個人的には思ってます。

人間が持つ感情は普遍的であり、男だって苦しいとき悲しいときはあるし、それを表現してきた人だからこそ、男性は強くあるべき、みたいな固定概念にとらわれることがなくなってきたのかなという勝手に思っています。

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辛かったことは、辛かったのだ(둘! 셋! (그래도 좋은 날이 더 많기를))

(둘! 셋! (그래도 좋은 날이 더 많기를))

둘! 셋! (그래도 좋은 날이 더 많기를)

꽃길만 걷자(花道だけ歩こう
그런 말은 난 못해(そんな言葉、僕は言えない
좋은 것만 보자(いいものだけを見よう)
그런 말도 난 못해(そんな言葉も僕は言えない)

これは、SUGAパートではないのですが、大好きな曲なので取り上げてみました。

韓国(のアイドル)は、これからいいことだけが起きますように=花道だけを歩こうと表現することがあるのですが、彼らは、花道だけの人生なんて存在しないことを嫌というほど理解しているからです。

当時弱小事務所からデビューしたため、テレビでは放送させてくれないとか、放送局からいじめまがいの対応されるとか、盗作疑惑が出る(他のアイドルも苦労されている記事をよく見ますが…(´;ω;`))など、これも簡単に列挙できるような苦労ばかりではないんですね。

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これもきっと、彼らの経験からくる、一種の authenticity だと思います。

辛いことがあってもがんばろうとか、そういう歌ではないんですよね、辛かったことは辛かったと認める歌です。正直、かなり悲しい曲。なにも解決してないし。忘れるしか、祈るしか手段がないのめっちゃ辛いけど、とりあえず辛かった自分を認める。

その辛かった経験は、成長に必要だったとか、それをばねにして次頑張れとか、苦労しないと何も得られないとか、色々言われるじゃないですか。それって、言い方によっては、過去の辛かった自分を否定されているような気持ちになりませんか?私はなります。辛かったことはつらかったといいたいし、否定されたくないです。そういう気持ちを歌える歌って、BTSもそういう気持ちになったからですよね。認めること、否定しないこと、祈ることでしか前に進めないこともあると思う、そういう歌です。

一位や最高がすべてなのか(Magic Shop)

Magic Shop

항상 최고가 되고 싶어(いつも最高になりたい)
그래서 조급했고 늘 초조했어(それで焦って常に苛立っていた)
(中略)
사실은 말야 나(実を言うとさ、僕は)
최고가 되고 싶었던 것이(最高になりたかったのでは)
아닌 것만 같아(なかっただけみたいだ)
위로와 감동이 되고 싶었었던 나
(癒しと感動になりたかった僕)
그대의 슬픔 아픔 거둬가고 싶어 나
(あなたの悲しみ、痛みを片付けてしまいたい僕)                       

↓のnoteから和訳を引用させていただきました。

BTS "Magic Shop" 僕なら君の力になれる ~日本語選びにこだわる和訳歌詞 no.063|noa
花 咲く時は 薔薇のように 舞い踊る時は 桜のように 散りゆく時は 朝顔のように 美しい その 瞬間のように MagicShop 躊躇う気持ちはわかるよ 本心を伝えても 結局全て傷跡で返ってくるものね 元気を出してなんて ありきたりな言葉は...

最高になりたい、と多分多くのアイドルが思ってきたし、きっと歌ってきたと思います。

一位になりたい、売れたい、売れて嬉しい、俺らは最高だ、 etc…。

彼らもまた、一位になりたい、売れたい、売れて嬉しい、俺らは最高だ と歌ってきましたが、人の気持ちは、いつまでも同じじゃない。

売れて、億万長者になっても、嬉しい楽しい気分が一生続くわけではないし、むしろアンチや有名税という高すぎる代償を払わなくてはならなくなり、本当にこれが望んだものだったのかという迷いもあったと思います。

きっと、BTS以外の売れているアイドルも、同じなようなことを思っているし、思ったはずです。その問いに対する一つの答えが、この曲だと思います。

ただ、BTSはここでも歌に昇華します。

一応、添えておくと、韓国の一位は、日本の一位とは重みがだいぶが違います。

Run onという韓国ドラマで、韓国で2位でも有名なのは、お前くらいだ(ニュアンス)というセリフがでてくるくらい、一位じゃないとだめという風潮が根強いようです(辛すぎる)。

話は飛びましたが、本当に最高であることが、最高なのかという問い、悩みは今の資本主義社会の中では世界共通です。なんで一位になりたかったんだっけ、辛い、苦しい、そういうときに癒しが必要ですよね。辛いときはこの曲を聴いてみてほしいです。上から目線ではない、本当の寄り添いというのはこういうことなんだと思います。

いったんまとめ

これだけ、素晴らしい曲をかけるって、つまり今までの人生に苦労が多かったということなんですよね。色々苦しかった分、これからのミンユンギの人生が苦しみの少ない人生になりますようにと願わずにはいられないです。

正直まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが…、いったんこれにてSUGAパートは終了になります!

皆さん、お読みいただきありがとうございました❣

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